【トランスリンクニュース7】
米国特許出願及び登録動向
特許翻訳業界にとって、日本からの米国への特許出願や登録件数の動向は、今後のビジネス環境を計るうえでの一つの重要な指針である。その意味で、毎年米国IFI Claims Patent Service社が発表している特許登録件数データには注目しているが、先日同社より2015年の米国特許登録件数が発表された。それによると、2015年に登録された米国特許登録件数は298407件であった。これは2014年の登録件数300674件と比較すると2267件の減少となり、2007年より増加してきた登録件数が初めて減少に転じたことになる。
また、IFI Claims Patent Service社は米国特許取得ランキングを発表しているが、表1に示すように、2015年では上位10社のうち3社が日本企業で、3位キャノン(4134件)、6位東芝(2627件)、7位ソニー(2455件)の順となっている。10年前の2006年のデータと比較すると、2006年には上位10社のうち5社(キャノン、松下、ソニー、日立、東芝)が日本企業となっているので、特許件数を多く出す日本企業は相対的に減ってきていると言える。
それでは、日本企業からの件数は、米国登録件数のうちどのくらいの比率となっているのだろうか。米国商標特許庁の統計データによると、2014年の登録件数300678件のうち約半数の156057件が外国からの特許件数で、そのうちさらに約三分の一の53849件が日本からの特許件数となっている。実は、表2に示すように、日本からの特許登録件数は2009年以来増加しているが、日本からの米国へのユーティリティ特許出願の件数は、この5年ほどはほぼ横ばいであり、今後日本からの登録件数が単純に増加することはなさそうである。
最後に、AcclaimIP社(http://www.acclaimip.com/)が2015年の米国特許登録に関して面白いデータを発表しているので紹介したい。それによると、2015年に登録された全特許中、
1.最も多くのクレームを持つ特許は、275クレームがあるUSP9053485である。
2.最も長いクレームを持つ特許は、シングルスペース12ポイントで記載して67頁になるクレームがあるUSP8957203である。
3.最も長い明細書の特許は、787824ワードを有するUSP8952217である。
4.最も数多くの発明者を持つ特許は、61名の発明者によるIBM特許のUSP9081501である。
ということである。さらに興味のある方は、上記サイトを参照してください。